神奈川「・・・暇だな」

猪狩「・・・暇だな」

神奈川「・・・時事ネタでも話そうぜ」

猪「・・・時事ネタと言えばさ、最近のニュース選挙のことばっかだよな」

神「仕方ないんじゃないか?解散したんだし」

猪「インパクトが無いからつまらん」

神「そりゃそうだろ、選挙なんだから」

猪「誰かが失言とか名言とか吐いたら面白いと思うわけよ」

神「ふむ」

猪「で、勝手に考えてみた」

神「暇な奴だ」

猪「実際暇じゃんか」

神「まあな」

猪「で、名言を考えるのって意外と難しいのな」

神「当たり前だ」

猪「だから俺は、既にある名言を参考にして作った」

神「素直にパクッたって言えよ」

小泉『悲しいけどこれって総選挙なのよね!』

神「自分で解散しといてなんて言い草だ」

亀井『小泉よ・・・理想を抱いて溺死しろ』

神「元ネタわかる人いるのかなソレ」

岡田『いくぞ自民党――――票の確保は十分か』

神「何故元ネタがわかりにくいのを連投する」

宗男『おしょくー楽しむだけ楽しんだら、ハイ、ごき、げん、よう!』

神「GO TO 拘置所

堀江『選挙は株式市場で起こってるんじゃない・・・投票所で起こってるんだ!』

神「キャラ違うし」



猪「まあこんな感じでやればいいと思うわけ」

神「モニタの前で失笑する人々の顔が鮮明に浮かんでくるわけだが」

猪「こんなことを皆が言えばもっと投票率は上がるはずさ」

神「本当だったら日本滅亡も近いな」

猪「ちなみに俺だったら絶対行くね、選挙」

神「・・・」

猪「みんな選挙行こうぜ!」

神「・・・お前選挙権持ってたっけ?」

猪「いや」

神「・・・・」

猪「・・・・」

神「・・・暇だな」

猪「・・・暇だな」

神「何か話そうぜ」

猪「時事ネタでもしゃべるか?」

神「・・・断る」


『即興漫才おもろない』


猪狩「異様に暇だから漫才でもするか」

神奈川「ネタでもあるのか?」

猪「微塵もない」

神「・・・断る」

猪「じゃあこうしよう。俺が頑張って即興で抱腹絶倒のボケをかますからお前はただいつも通りにつっこむだけで良い、簡単だろ?」

神「どこからその自信が湧き出てくるのかが気になるな、精神医学の観点から」

猪「で、どっちなんだ?やるのか?やらないのか?」

神「・・・まあいいか。なんだかんだで暇だし」

猪「早速始めるか。じゃあ始めに「最近どうですか?」みたいな事を振ってくれ」

神「わかった」



神「どうもー」

猪「どうもー」

神「神奈川でーす」

猪「猪狩でーす」

神「二人合わせて」

神「漂流民ブラザーズでーす」猪「焼きそば流しにばら撒き隊でーす」

神「ところで猪狩さん、最近どうですか?」

猪「いやー最近身体の調子が悪くてねー」

神「ほう」

猪「特に腰が顎関節症でねー、動かしたらギギギってなって痛いの何の」

神「・・・」

猪「なんだよ、今いいとこじゃねえか。俺ちゃんとすげー面白いボケかましたぞ。ちゃんとつっこめよ」

神「・・・それはぎっくり腰だろ!ってつっこめばいいのか?」

猪「そうだ」

神「・・・お前が思ってるほど面白くねーぞ」

猪「・・・そうか」



猪「それでだ」

神「うん」

猪「スベりまくったまま帰る訳にはいかないのだ」

神「最初から俺ら二人しかいないが」

猪「打開策を考えねばならん」

神「あるのか?」

猪「微塵も無い」

神「・・・」

猪「はいじゃあ手品しまーす」

神「暴走し始めたぞ」

猪「よーく見ててください耳が〜・・・」

神「パクリじゃねえかよ」

猪「ちっちゃくなっちゃった!」

神「うわ!ほんとにちっちゃくなった!」

猪「まあ嘘だけどねー」

神「え・・・」

猪「さて、どうすればこの空気を解消できたもんかなー」

神「いや、耳・・・」

猪「もうどうしようもないのかなぁ」

神「耳・・・・」

猪「お前さっきからうっさいぞ!耳って何のことだよ?」

神「いや、お前、ミミ、おかしい、チイサイ、常人より」

猪「なんで片言になるんだよ」

神「うーん・・・」

猪「別におかしいとこなんか無いぞ」

神「・・・なんだかそんな気がしてきた」

猪「だろ、全て気のせい」

神「そうか・・・」

猪「わかってくれたか」

神「なんとなく腑に落ちない気もするが、納得した」

猪「さて、パーツ取り替えなきゃ」

神「耳が着脱式だと・・・ッ!?」

猪「あれ、言ってなかったっけ?俺なんかサイボーグにされたんだよ」

神「何故なんだろう・・・・」

猪「戦争の際最終兵器として活躍する予定らしい」

神「そんなもん北海道の女子高生に任せとけよ、彼氏との感動のストーリーが生まれるはずだ」

猪「ちなみに機能はこの耳取り外しだけだ」

神「まるで最終兵器じゃねーよ」

猪「あ、自衛隊から呼び出しだ」

神「このご時世にポケベルかよ」

猪「アフリカの子供にこの耳を配るらしい、甘くて美味しいそうだ」

神「・・・貴様の身体の中にはつぶあんが詰まってるのか」

猪「いや、こしあん

神「・・・・・」

猪「・・・・・」

神「・・・もう疲れたし、漫才止めるか」

猪「そうだな、俺もそろそろ飛び立たなけりゃならん」

神「それじゃあ、どうもありがとうございましたー」

猪「ありがとうございましたー」






神「・・・で、これが何なのさ」

猪「いや、だから漫才の台本。今度文化祭でやるやつ」

神「これやるのか?」

猪「ああ、面白いだろ?ところどころに笑いのエッセンスがちりばめられてるし、絶対に他の奴には真似の出来ない個性的な漫才に仕上がってると思うぜ」

神「・・・ホントはこのフレーズは言いたくないのだが」

猪「うん」

神「・・・お前が思ってるほど面白くねーぞ」

猪「・・・そうか」


『ひきこもり博物館』


猪狩「俺の夢はひきこもり博物館を設立することだ」

神奈川「はぁ」

猪「大衆にもっとよくひきこもりを知っていただきたい、そうすればひきこもりは大衆からの同情を買うことが出来、それはおそらくひきこもりの社会的地位の向上に繋がるはず」

神「失笑しか買わないと思うが」

猪「本格的に始動する前に下調べをするのだが、協力してくれないか?」

神「何で俺が」

猪「お前ひきこもりだろ、そうだよな自室漂流民」

神「・・・認めたくないが、まあ確かに」

猪「さしあたってひきこもりの部屋の様子を知りたい」

神「ここが俺の部屋な訳だが」

猪「・・・いたって普通だな」

神「ひきこもり全員が大人のゲームの特大宣伝ポスター部屋に貼ってる訳はないと思うが」

猪「ただ一つ特大のマーライオンの置物が目を引くばかりだ」

神「・・・お前が買ってきた奴だぞ、シンガポールに行ったとかで」

猪「こんなものお土産やで売ってるかよ」

神「じゃあどこから持ってきたんだ」

猪「有名な水吹いてる奴のすぐ近くにもう一個あんのよ、それを持ってきた」

神「・・・・今すぐ返して来い、シンガポール政府に」

猪「・・・外に出たくない」

神「・・・ひきこもりが」




猪「博物館といえば珍しい物を集めているところというのがイメージとしてあるよな」

神「確かに」

猪「珍しいひきこもりってどんなんだろうな?」

神「知るか、ひきこもりなんて全部一緒だろ」

猪「例えば、勝手に部屋から出られないひきこもり」

神「それはひきこもりじゃなくて犯罪人だ」

猪「狭い箱の中に入れられて土に埋められて出られないひきこもり」

神「ひきこもり以前に死んでるし」

猪「たまにTVからでてくるひきこもり」

神「見たら死ぬし」

猪「ひきこもり イン ザ バッグ」

神「エスパー伊東

猪「電車で親父に絡まれてた女を助けるひきこもり」

神「突っ込みを入れるのすら面倒だ、しかもそれひきこもりじゃなくてヲタクだし」

猪「・・・外出する時いっつも雨にあう雨男なひきこもり」

神「傘させよ」

猪「いや、水にぬれると足が魚の尾ひれみたいになるから無理」

神「最早人間じゃねーし、海に帰れよ」

猪「いや、頭はライオン」

神「・・・シンガポールに帰れ」




神「ところでさ」

猪「うん」

神「いつから本格的に始動するんだ?」

猪「よく考えたのだが、やっぱやめた」

神「何で?」

猪「・・・外に出たくない」

神「・・・ひきこもりが」

シーマンがかわいい』


A子(何・・・?さっきから誰かついてくる・・・。これってストーカー・・?)



神奈川「よお、相も変わらず昼間から挙動不審だな」

猪狩「静かにしろ!今追跡中だ」

神「何を?」

猪「ほら、前歩いてるだろ。物凄くかわいくてな、ちょっと追跡中だ」

神「世間はそれをストーカーと呼ぶのだが」

猪「いや、だってかわいいし。ほら、さっきこっそり携帯でとった写真」

神「うお、ホントだ」

猪「だろ」

神「・・・俺にも一枚かませてくれ」

猪「いいだろう。捕まえるためには仲間は多いほうが良い」

神「捕まえた暁には・・・アレだな」

猪「ああ、楽しみだ。肉付きもよさそうだしな」



A子(二人組みなの・・・?やだ・・・!しかも昼間なのにこんな時に限って人いないし・・・どうしよう・・・)



神「ただ単に追跡してるのも暇だな、何か話そうぜ」

猪「・・・・かわいいといえばさ」

神「うん」

猪「昔ゲーム屋行った時にシーマン指差して「これかわいい〜」って言ってる女がいたんだ」

神「信じられないな」

猪「あの調子なら奴らミドリムシとか見ても「かわいい〜」って言うかもな」

神「・・・ツッコミを入れたいとこだが全くありえない話じゃない所が怖い」

猪「何なんだろうなアレ」

神「よく言われてる「かわいいって言ってる私はちょうかわいい〜」って奴じゃないか?」

猪「いっつも後ろの誰かを意識してんだよな」

神「自意識過剰にも程がある」



A子(まだ家まであるし・・・・助けを呼ぶしか・・・)



猪「・・・さっきの話の続きなんだが」

神「ああ、何でもかわいいって言う奴か」

猪「俺思うんだけどさ」

神「うん」

猪「奴らとて、かわいいっていえないものがあるはずなのさ」

神「確かにな」

猪「それってなんだろうな?」

神「うーん・・・気持ち悪い系はダメだろ。普通に言ってるし。ほら、そういうお笑い芸人いるじゃんか」

猪「アレか、クーラーの風で吹き飛ばされそうなひょろひょろの二人組み」

神「そう、だからベクトルを変える必要があるわけよ」

猪「合成するってのはどうだ?例えばそこの猫と何かを合成したものを仮想するとか」

神「・・・仮想じゃ意味無いだろ」

猪「まあな」

神「個人的には生物じゃない物が良いと思うのだが」

猪「うーん、カップラーメンとか?」

神「良い線いってるな、うーん・・・蛇口?」

猪「蛇口かわいいって奴は見たことないな」

神「だろ」

猪「・・・っと、そろそろ追いつくぞ」

神「楽しみだな、久しぶりだ」



A子(そろそろ追いつかれる・・・!誰か助けて・・・!!!!・・・あ!警官!大声で叫べば・・・!)




A子「助けてェーーーーーー!!!!!!!!!」


猪「!?」

神「!?」

警官「どうしました!?」

A子「この人たちストーカーなんです!早く助けて!!!」



神「・・・お前ホントはこの女の人追っかけてたのか?」

猪「んなバカな。俺こんなシーマンみたいな女興味ないし」

A子「な・・・」

警官「じゃあ何を追っかけてたのかね!?」

猪「ほら、そこにいるじゃないすか、猫。アレですよ」

神「久しぶりに肉球を思う存分触ってみたかったんですがね・・・」

A子「・・・・」

警官「・・・・だそうですよ。私は帰りますね」

神「・・・・あ!猫が走り出した!」

猪「逃がさんぞ、待てーーーー!!!!」

神「フニャーッ!!」

猪「フニャーッ!!」





A子「・・・・・・・・・」

A子「・・・・・・」

A子「・・・・」

A子「・・・へっくし」

『全裸で唐揚げ』


神奈川「なあ」

猪狩「ん?」

神「お前何やってるの?」

猪「いや、料理だけど」

神「見りゃわかるよ」

猪「じゃあ何だよ」

神「何でお前は全裸なのか、って事を聞きたいわけよ俺は」

猪「・・・料理ができたら説明するからちょっと待ってろ」

神「わかった」



猪「俺は個性的な人間でいたい」

神「はぁ」

猪「我流でいきたいと常に願っている、いわば人と被るのが極端にいやな人種なのさ」

神「どういう頭の回路図があれば全裸で料理という発想が出てくるのさ」

猪「発端は二日前にさかのぼる」

神「ほう」

猪「ある友人宅に遊びに行ったらさ、その親父さんが半裸で天ぷらを揚げてたんだ」

神「どんな親父だよ、子供の顔が見てみたいな」

猪「ぶっちゃけお前の親父なんだが」

神「・・・・俺の親父に何があったんだ」

猪「目にゴミが入ってまばたきしてたらウインクと間違えられて、向かいのOLにセクハラで訴えられて会社をクビになったそうだ」

神「史上稀に見る情けない退社理由だな、外人とヨロシクやって退社しそうなアスリートみたいだ」

猪「お前の親父だぞ」

神「・・・・そうだった、ゴメン親父」

猪「で、俺は物凄い感動したわけよ、その発想に」

神「半裸つっても上半身裸とかじゃないのか?何で感動するわけ?」

猪「体の中心から斜め四十五度の角度で半分だ」

神「・・・・親父わざわざ服作ったのか・・・・」

猪「凄くないか、その発想?」

神「親父・・・・」

猪「で、俺は感動したから頼んだのさ、その天ぷらを食わせてくれって」

神「・・・・」

猪「これが美味くてな、俺はまた感動した」

神「・・・」

猪「人の話聞けよ!」

神「あ、ごめん、どこまで進んだっけ?」

猪「貴様の親父の飯が美味かったってとこまでさ」

神「つーかなんでお前家でメシ食ってんだよ、いつの間に」

猪「お前が自室で漂流生活してる間にだ」

神「なたね油しかないと思ってたのに」

猪「俺とお前の親父で食材を片っ端から天ぷらにして食った」

神「お前のせいかよ」



猪「とりあえず、俺は感動した」

神「ふむ」

猪「そしてそれにインスピレーションを受けて始めたのが今回の全裸で料理の真相さ」

神「インスピレーションとかいってるけど実質パクリじゃね?」

猪「違う。まず親父さんは半裸だが、俺は全裸だ」

神「まあ確かに」

猪「そして何より俺が作ったのは唐揚げだ」

神「あ、ホントだ」

猪「大体人と被るのが嫌いだといっただろう。この唐揚げは見た目は普通だが、味付けや中身にはたっぷりと俺流アレンジが加えられ、それはまさにオンリーワンといって過言でない。つまるところこの唐揚げが持つ実力は明々白々であり、当然その評価は・・・!」

神「食うぞ」





猪「マズイ!」

神「マズイ!」

猪「もう一個!」

神「いらんわ!」

猪狩「我々は一人の英雄を失った。これは敗北を意味するのか?否!始まりなのだ!地球連邦に比べ我がジオンの国力は30分の1以下である。にも関わらず今日まで戦い抜いてこられたのは何故か!諸君!我がジオンの戦争目的が正しいからだ!一握りのエリートが宇宙にまで膨れ上がった地球連邦を支配して50余年、宇宙に住む我々が自由を要求して、何度連邦に踏みにじられたかを思い起こすがいい。ジオン公国の掲げる、人類一人一人の自由のための戦いを、神が見捨てる訳は無い。私の弟、諸君らが愛してくれたガルマ・ザビは死んだ、何故だ!戦いはやや落着いた。諸君らはこの戦争を対岸の火と見過ごしているのではないのか?しかし、それは重大な過ちである。地球連邦は聖なる唯一の地球を汚して生き残ろうとしている。我々はその愚かしさを地球連邦のエリート共に教えねばならんのだ。ガルマは、諸君らの甘い考えを目覚めさせるために、死んだ!戦いはこれからである。我々の軍備はますます復興しつつある。地球連邦軍とてこのままではあるまい。諸君の父も兄も、連邦の無思慮な抵抗の前に死んでいったのだ。この悲しみも怒りも忘れてはならない!それをガルマは死を以って我々に示してくれたのだ!我々は今、この怒りを結集し、連邦軍に叩きつけて初めて真の勝利を得ることが出来る。この勝利こそ、戦死者全てへの最大の慰めとなる。国民よ立て!悲しみを怒りに変えて、立てよ国民!ジオンは諸君等の力を欲しているのだ。ジーク・・・・」


神「あーあ、腹減ったなあ。もう3日も何も食べてないって言うのに」

猪「うるせえよ演説の邪魔だ」

神奈川「・・・お取り込み中悪いんだけどさ」

猪「うん」

神「さっきからなんでサングラスに語りかけてるわけ?」

猪「いや、こうすればヘラクレスオオカブトムシがよってくるかなって」

神「無理だろ」

猪「なんで?」

神「俺ら漂流中じゃん」

猪「そうか」



神「・・・なあ」

猪「なんだ?俺今ネプチューンオオカブトムシを呼ぶのに忙しいんだけど」

神「まあ聞けよ」

猪「うん」

神「俺ら漂流してるじゃんか」

猪「まあね」

神「いつになったら救助来るのかね?」

猪「あと15分後ぐらいじゃね?」

神「物凄く細かく指定してきたな、救助隊の人ガンガレ」






神「・・・なあ」

猪「なんだ?俺今アトラスオオカブトムシを呼ぶのに忙しいんだけど」

神「まあ聞けよ」

猪「うん」

神「俺らいつになったら東京の家に帰れるんだろうな?」

猪「無理だろ」

神「なんで?」

猪「だって俺ら東京に家持ってねーじゃん」

神「そうか」



神「・・・なあ」

猪「なんだ?俺今アクタエオンゾウカブトムシを呼ぶのに忙しいんだけど」

神「まあ聞けよ」

猪「うん」

神「そろそろ15分たつんじゃないのか?」

猪「そうだな、そろそろ正午だ」


『お昼の休憩時間が始まります。プールから上がって、お休みください。再開は1時からです・・・』


猪「・・・なあ」

神「うん」

猪「プールで漂流ごっこって楽しいか?」

神「いや別に」

猪「・・・メシ食うか」

神「そうだね」

猪「そういや三日メシ食ってないのはホントなのか」

神「・・・家にナタネ油しかなくてな、かといって迂闊に外でたら暑くて死ぬし」

猪「・・・ヒキコモリが」


『おいしい仮面ライダー


猪狩「なあ」

神奈川「うん」

猪「仮面ライダーってどんな味なんかね?」

神「やっぱイナゴの味なんじゃね?」

猪「そうかなぁ」

神「だってイナゴだし、仮面ライダー

猪「じゃあ佃煮っぽい味がするんだ」

神「俺は食ったこと無いけどさ」

猪「でもさ」

神「うん」

猪「それじゃやっぱ夢ないじゃんか」

神「まあ確かに」

猪「例えばさ、仮面ライダーをかじってみたら物凄い甘いのな」

神「甘いのか」

猪「甘くてクリーミーで、こんな素晴らしいものを食べれる自分は、きっと特別な存在なんだって思えるほどなわけ」

神「どっかで聞いたフレーズだな」

猪「でもやっぱりかじられたら抵抗するわな、仮面ライダーも」

神「かじられて無抵抗な奴ってムツゴロウさんぐらいしかいないしな」

猪「そうすると落ち着いて味わえないじゃんか」

神「ライダーキック食らったら爆発するしね」

猪「だから一回息の根を止めるわけよ、死ぬと鮮度は落ちるけど」

神「ふうん」

猪「しかも殺す時はハイパーヨーヨーしか使っちゃダメなの」

神「できる奴はきっと特別な存在だな」

猪「それで5分ぐらいかかってやっとしとめるわけ」

神「中村名人も思わず失禁するテクニシャンだな」

猪「ごめんよ僕のナイトムーヴズ」

神「ファイヤーボールじゃないのか?」

猪「去年旅行に行ったとき信濃川に落とした」

神「そうか」

猪「それでさ、仕留めた獲物を食べるために近寄ると、なんか腐臭がするのよ」

神「まあ死んでるからな」

猪「ドリアンのにおいさ」

神「仮面ライダーの中の人は実はドリアンだったのか」

猪「どうよ?こう考えると夢があるっぽくね?」

神「まあ佃煮の味がするよりはマシだな」

猪「だろ」


神「でもさ」

猪「うん」

神「仮面ライダーって実際にはいないよな」

猪「・・・お前やっぱ夢無いな」

神「うん」