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『シーマンがかわいい』
A子(何・・・?さっきから誰かついてくる・・・。これってストーカー・・?)
神奈川「よお、相も変わらず昼間から挙動不審だな」
猪狩「静かにしろ!今追跡中だ」
神「何を?」
猪「ほら、前歩いてるだろ。物凄くかわいくてな、ちょっと追跡中だ」
神「世間はそれをストーカーと呼ぶのだが」
猪「いや、だってかわいいし。ほら、さっきこっそり携帯でとった写真」
神「うお、ホントだ」
猪「だろ」
神「・・・俺にも一枚かませてくれ」
猪「いいだろう。捕まえるためには仲間は多いほうが良い」
神「捕まえた暁には・・・アレだな」
猪「ああ、楽しみだ。肉付きもよさそうだしな」
A子(二人組みなの・・・?やだ・・・!しかも昼間なのにこんな時に限って人いないし・・・どうしよう・・・)
神「ただ単に追跡してるのも暇だな、何か話そうぜ」
猪「・・・・かわいいといえばさ」
神「うん」
猪「昔ゲーム屋行った時にシーマン指差して「これかわいい〜」って言ってる女がいたんだ」
神「信じられないな」
猪「あの調子なら奴らミドリムシとか見ても「かわいい〜」って言うかもな」
神「・・・ツッコミを入れたいとこだが全くありえない話じゃない所が怖い」
猪「何なんだろうなアレ」
神「よく言われてる「かわいいって言ってる私はちょうかわいい〜」って奴じゃないか?」
猪「いっつも後ろの誰かを意識してんだよな」
神「自意識過剰にも程がある」
A子(まだ家まであるし・・・・助けを呼ぶしか・・・)
猪「・・・さっきの話の続きなんだが」
神「ああ、何でもかわいいって言う奴か」
猪「俺思うんだけどさ」
神「うん」
猪「奴らとて、かわいいっていえないものがあるはずなのさ」
神「確かにな」
猪「それってなんだろうな?」
神「うーん・・・気持ち悪い系はダメだろ。普通に言ってるし。ほら、そういうお笑い芸人いるじゃんか」
猪「アレか、クーラーの風で吹き飛ばされそうなひょろひょろの二人組み」
神「そう、だからベクトルを変える必要があるわけよ」
猪「合成するってのはどうだ?例えばそこの猫と何かを合成したものを仮想するとか」
神「・・・仮想じゃ意味無いだろ」
猪「まあな」
神「個人的には生物じゃない物が良いと思うのだが」
猪「うーん、カップラーメンとか?」
神「良い線いってるな、うーん・・・蛇口?」
猪「蛇口かわいいって奴は見たことないな」
神「だろ」
猪「・・・っと、そろそろ追いつくぞ」
神「楽しみだな、久しぶりだ」
A子(そろそろ追いつかれる・・・!誰か助けて・・・!!!!・・・あ!警官!大声で叫べば・・・!)
A子「助けてェーーーーーー!!!!!!!!!」
猪「!?」
神「!?」
警官「どうしました!?」
A子「この人たちストーカーなんです!早く助けて!!!」
神「・・・お前ホントはこの女の人追っかけてたのか?」
猪「んなバカな。俺こんなシーマンみたいな女興味ないし」
A子「な・・・」
警官「じゃあ何を追っかけてたのかね!?」
猪「ほら、そこにいるじゃないすか、猫。アレですよ」
神「久しぶりに肉球を思う存分触ってみたかったんですがね・・・」
A子「・・・・」
警官「・・・・だそうですよ。私は帰りますね」
神「・・・・あ!猫が走り出した!」
猪「逃がさんぞ、待てーーーー!!!!」
神「フニャーッ!!」
猪「フニャーッ!!」
A子「・・・・・・・・・」
A子「・・・・・・」
A子「・・・・」
A子「・・・へっくし」